T-ARAのメンバーが減っていくスピードって、実際どのくらいなんだろう。2018年に4人になってから、気づけば「6人時代」を知らないファンも増えた。12年目を迎えた今、あらためて数字を並べて計算してみたら、思っていたよりずっと複雑な気持ちになった。
まず「T-ARAの家族」をどう数えるか問題
T-ARAは2009年7月に6人組としてデビューした。ウンジョン、ヒョミン、ジヨン、ボラム、ソヨン、キュリ。この6人が「オリジナル」だ。そこから加入と脱退を繰り返し、最終的には4人(キュリ、ウンジョン、ヒョミン、ジヨン)で活動を続けた。
ここで厄介なのは、「家族」の定義だ。正式メンバーだけを数えるのか、それとも途中加入したジョヨンやダニ、アヨンも含めるのか。ファンによって線引きが違うから、数字の話をすると必ずと言っていいほど意見が割れる。
だから今回は、事務所が公式に「T-ARAのメンバー」と発表した人だけをカウントする。加入も脱退も正式発表ベース。これが一番フェアだと思う。
その結果、T-ARAに関わった正式メンバーは全部で9人。6人で始まり、9人まで膨らみ、最終的に4人になった。この「6→9→4」という数字の動きを、時間軸で割ってみるのが今回の本題だ。
年表をざっくり整理する
まず出来事を並べる。2009年7月に6人でデビュー。2010年7月にジヨンが加入して7人に。2011年にはボラムが脱退し、ファヨンが加入。2012年にはファヨンが脱退し、アヨンが加入。このあたりは加入と脱退がほぼ同時期に起きていて、ファンは感情が追いつかないまま置いていかれた感覚があった。
2013年にアヨンが脱退。2015年にはソヨンが脱退。2016年にはジヨンが脱退。2017年にはボラムとソヨンが復帰する形で6人体制に戻る、という発表があった。しかしその直後にボラムとソヨンが脱退。結果、2017年5月にキュリ、ウンジョン、ヒョミン、ジヨンの4人体制が確定した。
この年表を見るだけで「え、そんなに動いてたの?」と思う人は多いはずだ。実際、ファン歴が長い人ほど「もう何が何だか」と笑う。笑うしかない。
12年で「家族が減る速度」を計算してみた
では本題の計算に入る。まず、デビューから12年(2009年7月から2021年7月)の間に、メンバー構成が何回変わったかを数える。
正式なメンバー変更は、ジヨン加入、ボラム脱退、ファヨン加入、ファヨン脱退、アヨン加入、アヨン脱退、ソヨン脱退、ジヨン脱退、ボラム復帰、ソヨン復帰、ボラム脱退、ソヨン脱退――と、細かく数えると10回を超える。ここでは「公式に発表された構成変更」を8回として計算する。
12年 ÷ 8回 ≒ 1.5年。つまり、平均して約1年半ごとにメンバー構成が変わっていたことになる。これはかなり速い。
さらに「人数の純減」に注目する。6人からスタートして、最終的に4人。純減は2人。12年で2人減だから、単純計算で「6年に1人減る」ペースだ。これだけ聞くと、そんなに急じゃない気もする。
でもこれはズルい計算だ。なぜなら、途中で増えているから。9人まで増えた時期があるから、純減ペースが緩く見える。実際の「ファンが別れを経験した回数」は、もっと多い。
脱退イベントだけを数えるとこうなる
脱退だけをカウントする。ボラム(2011)、ファヨン(2012)、アヨン(2013)、ソヨン(2015)、ジヨン(2016)、ボラムとソヨン(2017、2人同時)。合計7回、人数にして7人分の「別れ」があった。
12年 ÷ 7回 ≒ 1.7年。約1年8か月ごとに、誰かがいなくなる。これがT-ARAの「家族が減る速度」の実数だ。
ここで一つ、具体的な記憶を書いておきたい。2017年5月、ボラムとソヨンの脱退が発表されたとき、私はちょうど仕事の休憩中にスマホでそのニュースを見た。前月に「6人でカムバック」と報じられていた矢先だったから、頭が一瞬ついていかなかった。同じタイミングで、多くのファンがSNSで「またか」とつぶやいていたのを覚えている。あの「またか」という言葉には、怒りと諦めが半分ずつ混ざっていた。
数字だけ見れば1.7年に1回。でも体感はもっと速い。それは、発表の直前まで「今回は大丈夫そう」と思わせる出来事があるからだ。復帰発表、カムバック予告、記念日ライブ。期待が高まるたびに、その後の別れが重くのしかかる。
「増える速度」と比べるともっと切ない
増えた回数も数えてみる。ジヨン加入(2010)、ファヨン加入(2011)、アヨン加入(2012)、ボラム復帰(2017)、ソヨン復帰(2017)。合計5回。12年で5回だから、約2.4年に1回は誰かが加わっている。
増える速度(2.4年)より、減る速度(1.7年)のほうが速い。つまりT-ARAは、出会うより別れるほうが少しだけ多いグループだった。これが12年分のデータが示す、シンプルでちょっと寂しい結論だ。
なぜ「速度」を計算すると感情がざわつくのか
数字を並べるだけなら冷たい作業だ。でも、この計算をしていて妙に落ち着かない気持ちになった。理由はたぶん、「速度」という見方をすると、一人ひとりの重みが均されてしまうからだ。
1.7年に1回の別れ、と書くと、まるで定期的なイベントみたいに聞こえる。でも実際は、それぞれの脱退に固有の事情と、その人なりの決断があった。ファンもそれぞれのタイミングで泣いた。数字にすると同じ「1回」でも、中身は全く違う。
「家族」という言葉の重さ
T-ARAはよく「家族のようなグループ」と言われてきた。メンバー同士の仲の良さ、年齢差、デビュー当時のエピソード。そういうものが「家族」という言葉に集約されていた。
だからこそ、脱退は「メンバーが一人減る」以上の意味を持った。家族が一人いなくなる、という感覚。実際、ファンの間では「T-ARAの家族がまた減った」という言い方が自然に使われていた。今回のタイトルで「家族」という言葉を選んだのも、その感覚が自分の中に残っているからだ。
数字で「1.7年に1回」と書くとき、その1回1回が、誰かにとっては「推しが消えた日」であることを忘れたくない。計算は冷たくても、受け取る側は冷たくなれない。
12年目から見える、これからの話
ここまで減る速度を計算してきたが、実は2017年以降、T-ARAのメンバー構成は大きく変わっていない。4人体制が続き、2021年にはキュリ、ウンジョン、ヒョミン、ジヨンの4人での活動が続いている。つまり「減る速度」は、ここ数年ほぼゼロになっている。
これは重要なポイントだ。12年目に計算してみて分かったのは、「減る速度が速かった時期」と「止まった時期」がはっきり分かれているということ。2009年から2017年までの8年間が激動で、そこから先は静かだ。
だから、これからT-ARAを好きになる人にとっては、この「速度」の話は過去の話になる。6人時代も9人時代も知らないで、4人のT-ARAだけを知って好きになる。それはそれで、全然いい。むしろ、これからは「減らない期間」が積み上がっていく。
ファンができる、いちばん実用的なこと
じゃあ、私たちファンは何をすればいいか。答えはシンプルで、今いる4人の活動を、今のうちにちゃんと受け取ることだ。過去の人数の変遷を数えるのは、振り返りとしては面白い。でも、それを未来の不安の材料にはしたくない。
「また減るかも」と身構えるより、「今この4人が出しているもの」を一つずつ味わう。ライブでも、配信でも、SNSの投稿でもいい。速度の計算は、過去を理解するためにやるもので、未来を予測するためにやるものじゃない。
12年目にして初めて計算してみて、思ったより寂しい数字が出た。でも同時に、ここ数年その数字が動いていないことも分かった。家族が減る速度は、今は止まっている。だったら、止まっている今を数えるほうが、よっぽど意味がある。
次の記念日には、また別の計算をしてみようと思う。そのとき「減る速度」の項目が、ずっとゼロのままであることを願いながら。