T-ARAのメンバーって、結局何人なんだろう。2012年に「9人」と覚えた人は多いはずで、そこから加入と脱退が何度もあった。12年目に入った今、あらためて数え直してみたら、私の中で「家族」の定義そのものが変わってしまった。
そもそもT-ARAは「何人」と数えるのが正解なのか
最初に結論っぽいことを言うと、T-ARAを「何人」と答えるのは、公式プロフィールを見ても一発では決まらない。デビュー時の6人、2012年の9人体制、そこからの脱退と再加入。年表を追うだけで軽く混乱する。
私が初めてT-ARAを見たのは「Bo Peep Bo Peep」が日本で爆発していた時期だった。当時は「韓国のガールズグループで、日本でもめちゃくちゃ売れてる」くらいの認識で、メンバーの顔と名前が一致するまでに半年かかった。それくらい、当時のT-ARAは「人数が多いグループ」という印象が強かった。
だから「T-ARAは何人?」と聞かれたら、反射的に「9人」と答えてしまう。でもそれは、ある一時期のスナップショットでしかない。12年分の時間を平らに伸ばして見ると、9人でいた期間は意外と短い。
デビュー時は6人だった
2009年7月のデビュー時、T-ARAはウンジョン、ヒョミン、ジヨン、ボラム、ソヨン、キュリの6人だった。ここからハナが加わって7人になり、リュ・ファヨンが加わって一時的に8人、そしてファヨンの脱退を経て、2012年にファヨン抜きの7人+ダニとアリムで「9人体制」が完成する。
このへんの経緯は、当時リアルタイムで追っていたファンでも説明が面倒になる。私もブログの下書きに何度も年表を書き直した。それくらい、T-ARAの人数は「動く前提」で語られるグループだった。
「9人」は完成形ではなく通過点だった
2012年の9人体制は、T-ARAにとって一つのピークだった。日本での活動も活発で、9人が並んだステージには圧倒的な華があった。ただ、その9人体制が長く続いたわけではない。2013年にファヨンが完全に離れ、その後も活動の形が少しずつ変わっていく。
つまり「9人」は、T-ARAの最終形ではなく、あくまで通過点。ここを勘違いすると、その後の変化が「減った」ように見えてしまう。実際は「変わった」だけで、減ったわけではない場面も多い。
「家族」と呼びたくなる理由と、その数の数え方
T-ARAのファンコミュニティでは、メンバーを「家族」と呼ぶ空気がある。これは単なる比喩ではなく、長く活動してきたグループ特有の距離感から来ている。ただ、「家族」を人数で数えると、途端に定義が揺らぐ。
実の家族だって、結婚や独立で人数は変わる。それと同じで、T-ARAの「家族」も、固定された数字では測れない。12年目に数え直して、私がたどり着いたのは「何人いるか」ではなく「誰を含めるか」という問いだった。
脱退したメンバーは「家族」から外れるのか
ここが一番難しい。ボラム、ファヨン、ソヨン、キュリ、ジヨン、ヒョミン、ウンジョン、そしてダニとアリム。全員の名前を並べると、それだけで10人を超える。現役メンバーだけを数えれば4人(ヒョミン、ジヨン、ウンジョン、キュリ)になるが、ファンの中ではそれで終わらない。
私自身、脱退したメンバーの名前を「元メンバー」と括弧書きするのに長いこと抵抗があった。今でも、ソヨンの歌声を聴くと「T-ARAの声だ」と感じる。それは現役かどうかとは別の話だ。
ファンも「家族」に含めていい
もう一つ、数え直して気づいたのは、ファンである私たち自身も「家族」の一部だということ。T-ARAの活動は、ファンの応援と一緒に成立してきた。コンサートの掛け声、ペンライトの色、SNSでのやり取り。それら全部がグループの歴史を作っている。
だから「T-ARAの家族は何人?」と聞かれたら、正確な数字は出せない。ただ「メンバー+元メンバー+ファン」と数えるなら、答えは「数えきれない」になる。これが12年目に出した、私なりの答えだ。
実際に数え直してわかった、3つの変化
ここからは、私が実際に年表と記憶を突き合わせて数え直したときに気づいた変化を3つ挙げる。どれも「人数」そのものより、数え方の前提が変わった話だ。
① 「全員」の意味が変わった
以前は「全員」と言えば、その時点の現役メンバーを指していた。今は、過去に在籍した人も含めて「全員」と言いたくなる。これは単に私が歳を取ったからではなく、グループの歴史が長くなったからだと思う。
たとえば、2011年の日本デビュー当時のインタビューを読み返すと、メンバーは「9人で一つのチーム」と繰り返し話している。その言葉を今読むと、9人という数字よりも「チーム」という感覚の方が残る。数字は変わっても、チームだった事実は消えない。
② 「加入」と「脱退」の重みが違って見える
加入は基本的に前向きなニュースとして報じられる。一方、脱退はどうしてもネガティブに扱われがちだ。ただ、12年分を並べてみると、どちらもグループが続くための選択だったケースが多い。
ここで一つ、具体的な思い出を書いておく。私が初めてT-ARAのライブ映像をちゃんと見たのは、9人体制の頃の「Roly-Poly」だった。画面に映る人数を数えながら「これが今のT-ARAか」と妙に納得したのを覚えている。あのときの「今」は、今から見れば「あの頃」でしかない。それくらい、加入も脱退も、あとから意味が変わる。
③ 「何人?」と聞かれなくなった
一番大きな変化はこれかもしれない。以前は「T-ARAって何人いるの?」とよく聞かれた。今は、聞かれること自体が減った。代わりに「T-ARAって今どうしてるの?」と聞かれる。
これはグループが「人数を語る段階」を卒業したということだと思う。人数で説明しなくても通じるくらい、T-ARAという名前が一人歩きしている。それは寂しいようでいて、実は強いことだ。
12年目に「家族」を数え直すなら、こう数える
では、12年目の私が「T-ARAの家族」を数え直すとしたら、どう数えるか。結論から書くと、私は3つの層に分けて考えるようにしている。
層1:現役メンバー
まずは現在活動しているメンバー。ここは明確で、数えやすい。ヒョミン、ジヨン、ウンジョン、キュリの4人だ。彼女たちが今もT-ARAの名前で活動している限り、この層は揺らがない。
層2:元メンバーと、その歌声
次に、過去に在籍したメンバー。ボラム、ファヨン、ソヨン、ダニ、アリムなど、名前を挙げればきりがない。彼女たちの歌声やダンスは、音源の中に残っている。だから「もういない」とは言い切れない。
層3:ファンと、その記憶
最後にファン。コンサートに行った人、CDを買った人、MVを何度も再生した人。全員が「家族」の一員だ。この層は数えようがないが、確実に存在する。
この3層を足すと、T-ARAの「家族」は何人になるか。答えは「聞かれた時代によって変わる」だ。12年前に聞かれれば9人と答えただろうし、今聞かれれば「数え方による」と答える。それでいいと思う。
これからT-ARAを語る人に渡しておきたい視点
最後に、これからT-ARAについて書いたり話したりする人に、私から一つだけ渡しておきたいものがある。それは「人数は入口でしかない」という視点だ。
T-ARAを調べ始めると、必ず人数の変遷にぶつかる。そこで「ややこしいグループだな」と離れてしまうのはもったいない。人数の裏側には、加入する側と脱退する側、それぞれの事情と覚悟がある。それを一つずつ拾っていくと、T-ARAというグループの輪郭がはっきりしてくる。
12年目に数え直して、私の中で「家族」の答えは変わった。でも、変わったのは答えだけで、T-ARAが好きだという気持ちは変わっていない。むしろ、数え方が増えた分だけ、好きになる入口が増えた気がしている。
次に誰かに「T-ARAって何人?」と聞かれたら、こう返そうと思っている。「数え方によるよ。で、どの時代の話?」と。