「TIKI TAKA」を初めてフルで聴いたとき、私は思わずイヤホンを外して確認してしまった。だって、あれだけ6人の声が重なっているのに、ひとりひとりの“輪郭”がくっきり浮かび上がってくる曲って、なかなかないから。T-ARAの楽曲の中でも特にポップで軽やかなこの曲は、実はメンバーの声質を分析するのに最適な“教材”だと思うんです。

今回は、そんな「TIKI TAKA」を徹底的に聴き込んだ私が、メンバーそれぞれの声の個性を勝手に比較・解説していきます。あなたの推しメンの声、ちゃんと聞き分けられていますか?

なぜ「TIKI TAKA」が声の個性を際立たせるのか

まず、この曲の構造をザックリ説明すると、サビの「ティキタカ」という繰り返しフレーズがとにかく耳に残りますよね。でも、その反復が多いからこそ、メンバー間の音色の違いがはっきりと浮き彫りになるんです。

さらに、この曲はユニット分けパートが非常に明確です。ソロパートが長く続く場面が多く、Aメロ・Bメロで一人ずつ歌い継いでいく構成になっているので、「あ、今のは誰だ?」という謎解きがしやすい楽曲でもあります。

しかも、T-ARAはメインボーカルからラップ担当まで幅が広いグループ。そのため、声の高さ・太さ・息遣いのバランスが一人ひとり異なり、比較するのが本当に面白い。これだけ声のタイプが揃っているグループは、K-POPの中でも珍しいと思います。

メインボーカル組の“力”と“艶”—— ソヨン&ジヨン

ソヨン:芯のあるパワフルボイスは曲の“背骨”

ソヨンといえば、T-ARAの中でも特に安定感抜群の歌唱力の持ち主。彼女の声は、太くて芯があり、しかも高音域でもビブラートがしっかり効くタイプです。特に「TIKI TAKA」のサビで彼女が担当する高音パートは、他のメンバーが歌うと少し細く聞こえるのに、ソヨンが歌うと一気に“T-ARAの曲だ”と認識できるほど存在感があります。

また、彼女の特徴は“語尾の処理”にも現れています。たとえば「ティキタカ」の「タ」の音を、ほんの少しだけ鋭く切るんです。この小さなアクセントが、曲全体にメリハリを与えているのがよく分かります。ライブ映像で彼女の口元を見ながら聴くと、その息の使い方に驚かされますよ。

ジヨン:儚さと力強さのギャップが魅力

一方、ジヨンの声はソヨンとは対照的に、少し掠れたような“ウィスパー気味”の高音が特徴です。でも、決して弱々しいわけではなく、むしろ「絹糸のように細いけど切れない」そんな強さを感じます。

「TIKI TAKA」のBメロで彼女が歌う部分は、他のメンバーが力強く押し出すのに対して、ジヨンは引くように歌うんです。その“引き算”の歌唱法が、曲の流れに一瞬の緊張感を生み出している。しかも、彼女はサビの最後にフェイクを入れることが多く、その瞬間だけ声の艶が一気に増すのが聴きどころです。

サブボーカル&ラップ組の“個性”を楽しむ—— ウンジョン&ヒョミン

ウンジョン:低音の“ハスキー”は唯一無二

ウンジョンの声は、T-ARAの中でも断トツで特徴的です。低くてハスキー、しかも少し鼻にかかったような音色は、一発で「ウンジョンだ」と分かります。「TIKI TAKA」では、彼女の低音が曲の“スパイス”として機能しています。

特に、彼女がラップパートではなく歌メロを担当する場面のほうが、その個性が際立ちます。高音を歌おうとすると喉を絞るようにして出すクセがあるのですが、それが逆に“切実さ”を表現していて、曲のストーリーを深めているんです。あの声で「ティキタカ」と歌われると、なぜか切ない気持ちになるのは私だけでしょうか?

ヒョミン:カラッとした明るさとリズム感の申し子

ヒョミンは、声質自体はそこまで特殊ではないものの、リズムの取り方が抜群に上手いメンバーです。彼女の声は、軽くて弾むような響きで、まるでスプリングがついているかのよう。「TIKI TAKA」のアップテンポなビートに、彼女の声が乗ると、曲の雰囲気が一気に“お祭りモード”になります。

また、彼女はラップパートも担当するので、言葉を詰め込む速さと、その後のブレスの位置が非常に独特です。特に「タカタカタカ」という連続フレーズを歌うとき、彼女は息継ぎをせずに一気に駆け抜ける。その疾走感が、この曲の中毒性を高めているのは間違いありません。

サブメンバーが支える“ハーモニーの土台”—— キュリ&ボラム

キュリ:透明感のある“癒やしボイス”の重要性

どうしてもメインボーカルに注目が集まりがちですが、「TIKI TAKA」のハーモニーを支えているのは、実はキュリの声だと思っています。彼女の声は、透明感があり、かつ音量は控えめ。でも、その柔らかい音色が、ソヨンの力強い声とウンジョンのハスキーな声を絶妙に中和してくれるんです。

特に、サビ後半で全員がハモる部分をよく聴くと、一番上のラインでキュリの声がふわっと乗っているのが分かります。あの存在感が、曲全体を“角のない丸い印象”にしている。もしキュリの声がなかったら、この曲はもっと尖った印象になっていたでしょう。

ボラム:唯一無二の“高音のピコピコ感”

ボラムの声は、もう説明不要の“アニメ声”です。でも、この声がT-ARAというグループにどれだけ貢献しているか、実は計り知れません。彼女の声は、非常に高く、そして少し機械的な質感がある。まるでシンセサイザーの音色のように、他のメンバーの生々しい声と並ぶと異質なほど浮くんです。

しかし、「TIKI TAKA」という曲は、その異質さが武器になる稀有なケースです。ボラムが歌うパートは、他のメンバーが歌うと普通のポップスになるのに、彼女が歌うと急に“ゲームミュージック”のようなファンタジー感が生まれます。しかも、彼女は声が高いのに音程が非常に安定しているので、ハーモニーに加わると厚みが増すという不思議な能力を持っています。

実際に聴き比べてみよう—— おすすめの“耳コピ”ポイント

ここまで読んで「実際に聴き分けられるか不安」という方のために、具体的な聴きどころを3つ紹介します。

まず、曲の冒頭のAメロです。ここではウンジョンとジヨンが交互に歌うので、低音のハスキーと高音のウィスパーがすぐに比較できます。ウンジョンの声が左から聞こえたら、次にジヨンの声が右から来る、というステレオ感覚で聴くと楽しいですよ。

次に、サビ直前のBメロです。ここではソヨンとヒョミンがユニットで歌います。ソヨンの太い声が前に出て、ヒョミンの軽い声が後ろで支えるという構図がよく分かります。一度でもこの重なりを意識すると、もう元の聴き方には戻れなくなります。

最後に、サビの最後の「ティキタカ」の連発です。この部分ではボラムの声が高音で目立ちやすいので、彼女の声を追いながら、その下でキュリが歌うメロディーラインを探してみてください。まるでパズルを解くように、声のレイヤーが見えてきます。

個性の集合体こそがT-ARAの魅力

結局のところ、T-ARAというグループは、声の個性をぶつけ合うことで成立している“奇跡のバランス”だと思います。ソヨンがいて、ジヨンがいて、ウンジョンがいて、ヒョミンがいて、キュリがいて、ボラムがいるからこそ、「TIKI TAKA」のようなキャッチーな曲が、何度聴いても飽きない名曲になるんです。

これを読んだあなたも、ぜひもう一度「TIKI TAKA」を聴き直してみてください。今度は歌詞を追うのではなく、声だけに集中して。きっと、今まで気づかなかった新しい推しメンの魅力に出会えるはずです。そして、その発見を誰かと語り合えたら、それこそがK-POPファンとして最高の楽しみ方だと思います。